第4話

けれど先輩の様に、人を感動させるような写真を撮ることは全然出来なかった。



好きこそ物の上手なれ、なんて言葉があるけれど、私が気になっていたのはカメラより先輩だったから、先輩が引退してから私の写真部への興味もすっかり薄れて幽霊部員に格下げ。



先輩は希望の大学に進学が決まり、いよいよお別れとなる卒業式の日。



ただの部活の後輩のまま終わりたくなくて、思い切って告白したんだ。



先輩は一瞬驚いた顔をした後、悔しそうに呟いたっけ。



「てまりの、めっちゃ可愛い瞬間撮り損ねた。


でも、これからたくさん撮れるから……


ま、いいかな」



って。

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