第11話

「へぇ、なんだか微妙な空気が流れてるかと思ったら、そんな事があったんだ」



帰り道、カナに進藤くんの事を話した。



卒業式の時は、こんな風に彼とまた同じクラスになるとか思ってなかったし、わざわざ振った事を話すのも躊躇われて、結局誰にも話していなかったんだけど。



今の状況だったら、仲の良いカナ位には話しておいた方が、もしもの時のフォローを頼めるかなって思ったから。



「進藤くん、まだ好音の事好きなのかな?」



カナの言葉に驚いて、片手を顔の前で振った。



「は、?……んなわけないよ」



振られた相手をいつまでも思っているなんて、そんな非建設的な事、しないと思う。



「そっかなぁ……好音は絶対ナシなの?進藤くん」



アリとかナシとか、そんな風に選択出来るほど私は彼の事何も知らないし。



「進藤くんのこと、よく知らないし……」



「知らない相手とは付き合えないよね。好音の性格じゃ」



カナは小さく溜息をつきながら言った。



でも、私じゃなくても知らない人と付き合うなんて、誰だって戸惑うと思うけど。

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