背中

第6話

桜吹雪の中、今日から3年間過ごす高校の正門を潜った。



少し早咲きの桜が見頃を過ぎ、散り始めた入学式の朝。



視界が薄っすらとピンクに染まる中、掲げられていた模造紙に書かれたクラス分け。



自分の名前や、同じ高校を受験した友人の名前を目を凝らして探した。



「好音〜、あった、こっち!」



「え、何組?」



手招きで私を呼んだのは、カナこと、和久井 夏菜子(わくい かなこ)。



同中で3年間同じクラスだった親友。



濃茶の猫毛を肩の辺りで揺らす、見た目フワフワしたイメージの女の子だ。



「3組だった!」



3組のクラス分けを指差して、他にも知り合いがいないか探している。



次々に名前をあげる中、カナがあげた名前にドキッとした。

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