第2話

……それにしても。




座卓に並べられた料理皿の数より、ジョッキや酎ハイのグラスや、徳利の数の方が多いなんて。




しかも、料理の方はまだ大分残っているし。




医者も、看護師も大酒飲みが多いってホントだと、自分がその立場になって知った。




普段、人の命を預かるという緊張感・ストレスは半端ない。




だから、お酒はある種の精神安定剤ならぬ、精神解放剤って訳だ。




「花崎~、二次会行く?」




二次会のカラオケボックスの予約時間が近づいたらしく、皆が席をたつ準備を始めている。




同期の百瀬 夏奈(モモセ カナ)がホンノリと紅くなった顔を手で扇ぎながら、私に問い掛ける。



「ん~。今日は、止めとくわ~。」




百瀬に軽く手をふり、私は先生や看護師仲間に断って店をでた。

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