第12話

上気した頬、潤んだ瞳。



キスによって潤った唇。



自分の顔は見れないから、先生が言う『いい顔』がどう言うものか分からない。




でも、他人には見せられない顔に違いないと思う。




そんな顔を先生に見られるの、本当はやだ。




だから、先生がそう言うたびあたしはすぐに先生から顔をそらす。




「可愛いのに」




言いながらも、笑う先生は意地悪だ。




笑いながら先生は自分の椅子に戻り、両手を開いてあたしを呼んだ。

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