第11話

いつしか軽いキスは、舌を絡める深いものへと変わっていた。




思わず奥へ引いたあたしの舌を舌先でつつく。




「同じように返してみて」




言われるまま、おずおずと前へ出した舌を、先生は満足気に絡めて愛撫を繰り返した。




(言わなくちゃ…)




頭ではそう思うのに、体の力が抜けていく。




(今日こそは言うって決めたの)




必死で先生の愛撫に答えながらも、頭の中で繰り返していた。




「三月、いい顔。」




唇を離した先生が見下ろしている。

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