第13話
「おいで。」
腰が抜けて動けないのを知っていて、言うんだこの人は。
ズルイ。
意地悪。
先生なんて…キライ。
「…先生」
なんとか立ち上がって、先生のすぐそばまで近づく。
「なに?」
(言うの。今日を最後にしても、言わなきゃダメ)
先生の声も視線も、変わらず優しい。
その優しさを失ってしまうかも知れないけど、言わなきゃ。
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