第2話

「委員長、ここのノート物理の準備室に運んでな」




ざわつき始めた中で先生の声が響いた。




低くくて、穏やかな声音。




けれど先生の声は、どんな雑音の中でも、真っ直ぐにあたしの鼓膜を震わす。




「はい」




三ヶ津 三月(ミカヅ ミツキ)は、高校2年生。




中学時代から今年で委員長をするのは4年目。




皆から委員長と呼ばれるのにも、慣れてしまった。

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