第15話

「やっぱり山田さんって失礼なヤツだよな」



剣呑な言葉が胸に刺さって痛い。


どうして彼はいつも私にばかり構ってきて、こんなひどいことばかり言うのだろう。


どんな理由があって私の事を嫌うのだろう。


泣きそうになる気持ちをグッと堪えて、目の前にいる遊佐くんを睨むように見た。



「俺が見たいのは、そんな表情じゃないのに……」


え、?


小さすぎて聞き取れなかった彼の呟き。


その呟きを落とした直後の彼は酷く傷付いたような表情をしているように見える。



「山田さんが居なくなるから、俺の居場所が教室になくなるだろ」



「は?」



彼の話が分からなくて間抜けな息が洩れる。


どうして私がいないと遊佐くんの居場所がなくなるんだろう。



「茂木と吉田さんの邪魔になるだろ……」



そりゃ、恋人同士のそばにいるのは居心地が悪いかもしれないけど、それなら他の男子と一緒にいればいいわけで。

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