幾ら鈍感な私でも、こうも毎日心ない言葉を浴びせられれば気分も落ち込む。

無意識のうちに遊佐くんを傷つける行動をとった自分が悪いのかもしれない。

でも、その理由を聞いても「別に」とか「自分で考えれば？」なんて突き放す言葉ばかり言われれば努力したくてもできやしない。

そのうち遊佐くんの気配が近づくと、それが声でも足音でも体が強張るようになってしまった。

元々男子は苦手なんだ。

それに相手は女子に人気のイケメンくん。

イケメンが嫌う相手を好意的には見てくれないのは当然で。

そのうち女子とだってまともに話せるのは、とまこだけになっていた。

その原因を作った本人は、同じクラスにいながら私がどういう立場にいるのか知らない……わけないよね。

頭の良い人のくせに、行動は子供以下だ。

本当に遊佐くんは苦手だ。

だから、私は逃げる。

同じクラスにいて彼から逃げる事の難しさは生半可なものではない。

とまこを味方につけて、遊佐くんの気配（最近は気配も分かるようになった！）がした時はできるだけ自然に教室を出て行くようにしている。

そして私が向かう先は、もう１つのヒーリングスポット。

理科室だ。

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