第17話
正直な気持ちを口にした途端後悔した。
だって、目の前でシュンと目に見えて落胆した様子を見せられれば仕方ないと思う。
思わず視線を逸らしてしまう。
本当にこの人は、無自覚に意味のありそうな、けれどありはしない……そんな言葉や表情の変化をあからさまにする。
私でなければきっと誤解してしまうんじゃないだろうか?
宇野くんって、目立つタイプじゃないけれど、整った顔立ちや、自分の意見をちゃんと言えるところを好ましいと思っている女子は少なくない。
と、最初に図書館で出会った日から、宇野くんという人のことをちょいちょい思い出してみたときにそんな風に思ったのだ。
彼は、自分が周囲からどういう風に思われているかを考えたりするんだろうか?
今みたいな言葉を発することでもたらす結果をもしかしたらちゃんと分かってやっているのだとしたら、結構な策士だと思う。
読めないのよね。
というか、他の誰も読めた試しはないけど。
それに、誰彼構わず好かれたいと思っている人なら別だけど、私のような地味で目立たない人間にあえて好かれるような事をしなくてもいいと思う。
だからこそ、分からないんだけど。
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