第5話
なんの予定もない日は、人にとっては退屈な日なのかもしれない。
けれど私にとっては、私の時間をなんの邪魔もされずに好きに使える時間として、とても有意義な時間だ。
本を読むことも、携帯ゲームをすることも、ボーッと過ごすことも。
どれも、私にとっては必要な時間なのだ。
明日、どこで時間を潰そうか?
天気はいいから花粉が多そうだし、室内であることは絶対だ。
どこかのカフェか、映画館か……。
そう考えて、ふと思いついたのは、最近ご無沙汰している図書館の存在だ。
幼い頃から本を読むのが好きだった。
小学5年の頃からは、ページ数の少ない少女小説を読むようになり、中学生になる頃には話題の海外の推理小説に手を伸ばすことが増えた。
初めて買ったハードカバーの本は、その頃流行りの哲学小説だった。
理解して読むというよりは、ただ膨大な文字を目に、そして脳に貼り付けていくことが楽しかった。
そのうち図書館が第二の我が家だと言える位入り浸っていた。
独特の厳かな空気が、古い紙の匂いが、皆が意識して作り出す無音の世界が、本当に好きだった。
だけど、図書館はあくまで本を楽しむ場所であることが私の中の絶対だったから、勉強や調べ物をするという利用理由は少なかった。
勉強をするなら自宅の机の方が集中できたし、時間も気にせずに済むから。
折角乗ってきたところで、閉館時間というのが嫌だったし。
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