第4話
「友達と遊びに行くとか、ランチに行くとかすればいいのに」
母のそんな言葉は、もちろん私のことを気にしていてくれるからだと分かってはいても、やっぱりウザいと思ってしまう。
気軽に連絡を取り合う友達なんていないのに。
スマホのアドレスなんて、ほんと寂しいものなんだから。
中学の時の友人と、高校の部活の連絡網に必要な数名と親の名前が並ぶだけ。
けれど、それでも別に困らないし、実際寂しいなんて感じることもない。
気侭で、気楽だから私は全然構わないのに。
親はどうしても、子供に家族以外の人間との関わりを持つことを望む。
自分の子供がイジメにあっているんじゃないかとか、他人との関係を上手く築けているのかとか不安に思うのだろう。
「明日辺り、誰かをランチに誘ってみるよ」
「そう。いいんじゃない?」
あからさまにホッとする母。
母にこう言ってしまった以上、明日は出かけなければならないだろう。
面倒くさいと思ってしまう自分は、欠陥があるのかもしれない。
1人でいるって、そんなにダメなことかなぁ……。
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