第23話
「好きだからな!」
「好きだから……」
何故かハモってしまった。
「香奈、お前がその言葉を言ってくれるのを、俺はずっと待ってた」
「……私は、健太のたくさんいる彼女のうちの1人だって思ってたから、好きだなんて言えなかった。重い女になんてなりたくなかったから」
気楽な付き合いを望む健太の重荷にだけはなりたくなかったから。
それがこんな誤解を生んでいたなら、もっと早く伝えればよかった。
傷つくのを怖がっていないで、本気でぶつかればよかったんだ。
「どうりで、いくら好きだって言っても、お前全然言ってくれないし……本気で俺の事好きなのか分からなくなってた」
「ごめん、」
「いや、もとはと言えば、俺があんな話したからだよな。自業自得ってわけだ……って、香奈、分かってると思うけど、俺、お前以外に付き合ってる女なんていないからな?全部、ちゃんと別れてるからな?」
前のめりになって伝えてくる健太の勢いに圧倒されてしまうけれど、正直健太の言葉が嬉しい。
「あ、でも、新入社員の女の子と……」
つい零してしまって、慌てて口を閉じた。
今更なことを言って彼を責めるつもりはなかったのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます