第21話
「俺はずっと本気だったんだ」
「え?」
「信じたくなかったけど、お前が俺との付き合いをセフレ認定してるって聞かされた時の、俺の気持ちがお前にわかるか?」
「健太?何を言って……」
「確かに、あの飲みの時、俺は真面目な恋愛なんて面倒だし、1人の女に縛られるなんて嫌だって言った。でも、お前の事は同期として大切だって思ってたから、だから、真剣に付き合うなら、お前とがいいって……そう思って、告白したのに」
「こ、く、はく……?」
さっきからものすごい剣幕で健太が怒っている。
怒っているのは分かるけど、どうして怒っているのか分からなかった。
それに、告白って?
あの日、お酒の勢いもあって、誘われるままホテルについていった。
健太の口からでる言葉のすべてが、そういった時に健太が口にする癖なんだって思ったくらいに甘ったるい言葉を聞いた気がする。
だけど、それを他のたくさんの女の子に言っているのだと思ったら、聞いているのが辛くなった。
耳をふさいで、彼からの声以外の熱を感じていた。
それだけで満足だった。
あの時、彼はなんて言ったんだろう?思い出せない。
「本村と、二股とかありえねー」
吐き捨てるような健太の言葉に、喉がヒュッと鳴る。
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