第15話
「今のお前、生きてんのか死んでんのか分かんねーな」
「うるさい……でも、そうかも」
自虐的な笑みがこぼれた。
自分でも呆れる。
本村の言う通り、今の私は生きてるのか死んでるのか分からないや。
「お前ら、最近どうなってんの?」
「別に、どうにもなってないっていうか、私と健太って別にそういう関係でもなかったしね」
「ほかの女と同じ扱いにされて腹立たねーの?」
次から次へと本村の怒りを含んだ声がささって痛い。
本村は知っているんだった。私と健太の関係を。
なら、捨てられたことも知ってるんじゃないの?
「健太はさ、重い付き合いが嫌なんだって。だったらさ、重くないような付き合いなら、いいのかなって思うじゃん」
本村は知っている。
そう思ったら、知らず、胸の奥に溜まっていたドロリとした黒いものがあふれてきた。
独り言なのか、本村に向けて話したものなのか、分からなかった。
ただ、もうこれ以上、溜めておくのが辛かった。
吐き出して楽になれるなら、吐き出してしまいたかった。
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