気持ちと体の変化
第11話
「最近ちょっとやせた?」
健太の強引なお願いに逆らえず、一緒にシャワーを浴びて、のぼせたせいで貧血を起こした私を抱き上げた健太がポツリと落とす。
そういえば、梅雨位から食欲が落ちてたんだっけ。
ダイエットしていたわけじゃいけれど、薄着になる季節を前に、痩せたのならラッキーだったかも。
「そう、かな」
「飯食えー。俺はグラマーな方が好みだ」
真顔で言う健太の胸をドン、と叩いてやった。
小さく噎せた健太は、ゆっくりと私をベッドにおろしてその隣に横になる。
「香奈、先週誕生日だったろ?何か欲しいものねーの?」
先週の誕生日、そう健太の口から言われて、嫌でも思い出した。
誕生日の前日、同期の本村から告白されたことを。
結局あの日は本村から逃げて、彼からのコンタクトはすべて拒否し続けた。
「付き合ってるわけでもないし、プレゼントなんていらないよ」
「香奈……、お前が特別な日にわざわざ会わなくていいなんて言ったから、こうしてお互いに負担のないような付き合いをしてるけど、誕生日位一緒に祝わせてくれたって良かったんじゃないか?」
責めるようにも聞こえる健太の言葉に何も答えなかった。
恋人でもない、ただのセフレに誕生日を祝われたって虚しいだけ。
クリスマスも、お互いの誕生日も、特別な日には私達は一緒に過ごさないって決めた。
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