同期からの突然の告白

第6話

「柾田、さっきの資料25部コビーして。15時からの会議に使うから!」


「了解!」



本村から頼まれた資料を片手にコビー室へ向かう。


コビー室は、他の部署からも何人か来ていて順番待ちの状態だった。


そこにマリエがいて、久しぶりに飲みに行きたいね、なんてこの忙しい最中でも女同士の話は仕事から脱線しまくる。



ようやくコピーを終えて、マリエに「またね」と伝えてコピー室を出ようとしたけれど、不意に足を止めてしまう。


足を止めてしまったのは、背後から聞こえてきた女子社員の会話に健太の名前が出てきたから。


会議は目前に迫っていて、この資料を仕分けてまとめないといけない。こんなところで足を止めている場合じゃないのに。



「椎名さん、オッケーしてくれたの?」


「そうなの。今夜、飲みに行くんだ」



テンションの高い声。


その声の持ち主をちらりと盗み見れば、今年新入社員として採用された女子社員の中で、一番かわいかった子だと気づく。


健太も確か可愛いって言ってたっけ。


今夜の相手はこの子なんだ。


チクッと鳩尾の辺りがさしこむように痛んだ。


最近食欲もないし、何となく頭がすっきりしなかった。


夏バテ、かな。



「今夜用に、セクシーな下着買ったんだよね」


「椎名さん、彼女多いって噂だよ?セフレにでもなるつもり?」



窘めるような声に答えた彼女は自信満々だ。



「セフレ上等じゃん」



セフレ上等……か。


今時の若い子って、すごいなって思ってしまう。


自分を演じなくても、自信があって、キレイで。


こっちはどんどん年を取っていくし、そうなると捨てられる可能性だって高い。

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