第5話

「そうだね。ユナは甘え下手だもんな。でも安心しな。俺はユナが何も言わなくてもユナの気持ちは分かるから」


そんな、どうして?


問い掛ける声にはならない想いを、リトくんが掬い取って微笑んだ。


「なんとなく分かるんだ。ほら、今だって俺がしてること間違ってないだろ?」


こくん、頷く。


本当だ。


私、少しずつ癒されてく。


「私、また頑張れるね」


「そだな。ユナは大丈夫だ」


リトくんの穏やかな笑顔に自然と頬がゆるんだ。


甘いココアと、もふもふの抱き枕と、隣には愛しい人。


それだけで十分なんだ。







「それだけで十分なんだ」

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