変化の兆し

ガチャ、ダッダッダ


一目散に自分の部屋に閉じこもる


もう二度とあの人とは口聞かない



父「ただいま〜」


麻衣「お父さん話しがあるんだけど」



今朝、あの人が無言で朝食らしきものを

だしてきたこと

祖父母の家に行ったけど

全然話をきいてもらえなかったことを話した



麻衣「私、もう限界なの、!あんな人ともう一緒に暮らしたくない!!」


父「、、、もうここを出るしかないな」


私とお父さんは

お父さんの実家に行くことになった


お父さんは婿養子なので

苗字は母方のだ。


今の家の近くの祖父母も

母方のだ。


麻衣「そろそろ寝るね」


父「ゆっくり休みなな」


麻衣「おやすみ」


バタン


はあ〜


なんか色々考え過ぎて

頭が重たいよ


お父さんの実家に行くってことは


学校も転校しなきゃいけなくなる



転校、、、


隼人と会えなくなる、、、


それは、嫌だ、、


隼人、、、



「皆勤賞だけが皆勤賞だけが俺の特技!」

とかよく言ってたな、、


「いいとこ連れてってやる!」

っていきなり連れ出してくれたり


いつもふざけてるくせに


「俺を頼れよ!」

なんて、突然言ってきたり


カッコつけてばっかで、ぶっきらぼうで、、


でも、、


そんな隼人に私、、



何度も助けられてたんだよね、、、



私、隼人のこと、、、



隼人もちゃんと伝えてくれたんだもん

私もしっかり会ってこの気持ち伝えたい




♪ピピピピピピ


もう朝か、、


よし!隼人にちゃんと伝えなきゃ


ガチャバタン


タッタッタッタ


うん今日も良い天気だ!


隼人が連れ出してくれた時と同じ空だ


頑張って伝えなきゃ





♪キーンコーンカーンコーン


芽衣「まいちーん!食堂いこー☆」


麻衣「ごめん!ちょっと今日お弁当持ってきててさ!」


芽衣「そうなんだ!おっけー!」


探さなきゃ!


タッタッタッタ

はぁ、はぁ、、ッ




麻衣「隼人ッ!!」


隼人「どした?!」


麻衣「ちょっと、、ハァッ、ハァッ、、話したい事あってさ、、屋上行かない?」


隼人「いっいいけど!?」



いきなり呼び出しちゃったけど、

どうしよう、なんかドキドキしてきた



やばい、変な間できちゃってるよね、今、



隼人「なんか話したい事、あるんだろ?」


麻衣「うっうん、、あのね、、私、転校することになったの」


隼人「えっ?!、、、どこの学校に?」


麻衣「山野県、、なんだけど、、、」


隼人「山野県?!、、、まじか、、」



山野県(やまのけん)

ここ渋那区からだと新幹線に乗らなきゃ

行けない場所で


とても中学生の二人がすぐ遊びに行けるような

距離ではない



隼人「でもなんで、いきなり」


麻衣「お父さんの実家に行くことにしたんだ」


隼人は、なぜか昔から

なんでも相談できる存在で

もちろん学校のことも、家族のことも。


こうやっていきなり話しても

全てを汲み取ってくれているみたいだった



隼人「そっか、そうだよな、、」


麻衣「それでね、私、、転校するって決まった時、一番最初に隼人の顔が浮かんだの、、離れ離れになっちゃうの、すごく嫌だなって思ったの、だから、その、私、、、、、ッ?!」




隼人はぎゅっと私の事を抱きしめた

…って抱きしめた?!


麻衣「隼人?!」


隼人「ごめん、、でも、こうしてたい、、」


麻衣「隼人、、、」


隼人ってこんな良い匂いしてたっけ


てか男の子の力ってこんなに強いんだ、、、




麻衣「隼人、、私ね、、隼人の事が好き」


あれ固まってる?引いたかな?


抱きしめられてるから隼人の顔が見れない


どんな表情してるかな


困ってる?


どうしよう、このあと何て言えば、、


この一瞬の間はとてつもなく長く感じた


ちゅッ


?!


怖くて目つむってたけど


目の前には隼人の顔が、、!


隼人「今から俺の彼女ってことでよろしくな、、、


まじで好き」


そう言ってまた私の唇を奪う


大好き、、、


こんな気持ちになったの初めて、、、

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