第5話

モデルをしていた高校時代から、遥かに時を経て、現在28歳。



市内の個人病院に、臨床検査技師として働き始めて7年。



毎日、検体の取り扱いに、検診業務等多忙な日々を送っている。




恋人も、勿論旦那もいない。



フリーに気儘に過ごしている。



これが、今の私を説明する大体。



「いいじゃない、子供」



宮ねーが再び顕微鏡を覗く。




私も採血管を振とう台にセットしながら溜息をついた。




「良くない!結婚すら考えてないのに、なんでそれをすっ飛ばして子供?ふざけないで欲しいわ」



ユラユラと振動する採血管を横目で見ながら、前日に委託してあった外部臨床検査センターから届いた検査データを纏める。







※振とう台…採血管に入れた溶液(血液)を攪拌(かくはん)させる器械。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る