第6話

その時、ノック音が響いた。



「失礼します!」




扉を開けて入って来たのは、病棟看護師の高野さん。




「お疲れ様です。昨日提出した入院患者さんのデータ出てますか?」





「今から届ける所でした」




データを束ねたものと、フロッピディスクを持って高野さんに近寄った。




白衣の上から薄めのカーディガンを羽織り、肩の辺りで髪を紺地のシュシュで纏めている高野さんの首元にキラリ、光るものを見つけた。




「珍しいですね、高野さんが仕事中にアクセ付けてるなんて」



華美な貴金属は、禁止だけどそこはみんな賢く隠したり、小さいものを付けたりと珍しくもないんだけど。



高野さんって、敢えてそういうのをつけなさそうなんだよね。

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