第30話
「……遅い」
駅前に行くと、仁王立ちのなるが待っていた。
いや、5分前で遅いって何よ。
あんたが早く来すぎなんでしょうが。
「ごめん。何着るか悩んでた」
波風立てないように適当な理由つけてとりあえず謝っておこう。
って、あれ、もしやこれってデジャヴ……?
「許さない。悩んだ挙句にその服装はありえない」
お怒りの彼が指摘するわたしの服装は、黒地のロゴTにタイトめのスウェット生地のロングスカート。シャツはインしてるけど、ダサく見えないように工夫はした。
何するかわからなかったからとりあえず動きやすくて、カジュアルだけどそこまでシンプルでもないのを選んできたつもりだけど。
「何が不満なの?」
「……もういい。早く行こう」
なんだよ。勝手にけちつけてきて、結局いいって。
そんななるのあとをわたしはついていく。
そして、改札を過ぎてちょうどやってきた電車に乗り込む。数駅先で降りて乗り換え、たどり着いたのは、初めて見る景色。
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