第13話

「特にいたずらするとか、妨害するとかはまったくないし、人当たりも悪くないし、わたしたちは困ってないけど……ひかりちゃんの反応からすると、そういうことがあったみたいね」

「うん、だからこその女神呼びだったんだ……腹は立ったけど、普段は生徒会にはそんなに用事もないし、今日はちょっと運が悪かったくらいに軽く考えておくね」

「……なんか、ごめんね」

「あ、謝らないで! 悪いのはあいつの態度だから。そんなちっぽけなことでぷりぷりしちゃうわたしも同類だし……気にしないで。話聞いてくれてありがとう」



生徒会室に戻る彼女と別れ、わたしは荷物を取りに教室へ向かう。

委員会が長引きはしたものの、部活が休みのわたしは、晴れて自由の身。鼻歌交じりに、だれもいない教室で帰り支度をしていると、出入り口にひとの気配を感じた。鼻歌を止めて、勢いよく顔を上げる。



「……あ、あなた……」


先ほどまで生徒会室にいたはずの人物が、なぜか教室の入り口にもたれて立っていた。

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