第10話

生徒会の副会長がクラスメイト、かつ唯一の親しい人物でもあり、メンバーの中でもっとも優しいので、彼女が承認相手になってくれないかと思いながら生徒会室へと向かう。


放送室の隣にあるそこにたどり着き、ドアをノックしてから中に入ると、生徒会のメンバーでは見かけたことのない男が、本来会長の座る場所に座っていた。




「……だれですか?」

「生徒会の代理みたいなものだけど。なんか用?」


生徒会以外の人に提出するのは違う気がしたけれど、代理というくらいなら大丈夫かな、とわたしも安易な考えだったとは思う。


「すみません、委員会の提出書類、遅くなってしまって、悪いんですけど承認お願いしま……」

「え? まだ出してないの? うわ、ありえねー。時間厳守だろ、そういうの許しちゃうと後輩に示しがつかないから、却下で」

「……は?」

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