第3話
「ひかりさんが人見知りというのは、先に店長から聞いてました。どんなひとが働いているのか事前に見ておきたくて見学したいとむりにお願いしたんです。でも、確信しました。わたし、ひかりさんと仲良くなれます! その辞めてしまった先輩たちと同じくらい!」
「九条さん……」
「だから、心配しないでください! 正直いま辞められると困るから説得しておいて~とかむちゃぶりする店長ってどうなのかなと思いましたけど」
ーーあのひと、そんなこと言ったのか。言いそうだけど……
それ以前に、年下相手に気を遣わせてしまっていたとは情けない。目の前で、にこにことしている彼女は、わたしよりどれだけ精神年齢がオトナなんだろう。
「きっと、年齢を気にするから壁を作ってしまうんだと思うので、敬語使うのやめてもいいですか?」
「あ、うん。試しにやってみて」
そんなやりとりをしているうちに休憩は終わってしまったけれど、なんだろう、イヤじゃない。そう思った。
4月から、彼女がやってくるのが楽しみだ。
わたしはまちがいなく、心からそう思っていた。
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