光る汗、青春の日々

第7話

バスケットを見ていると、あたしの胸が熱くなる。

そう思うようになったのはつい最近のことだけれど、人並みの知識は持っているはず。


夏、あたしは大会が行われる体育館へ何度も足を運んだ。男女問わず見学していた。

とある高校の男の子。彼のシュートを見ていると、とても惹かれる。彼は魅せるプレーをする。


周囲の野次を聴いている感じだと、彼はどうやら年齢はあたしの1つ下のようだ。年下なのに、あんなに魅せるプレーをするなんて。あたしはますます彼のことが気になってしまう。


バスケットを見ていただけなのに、そんなことを考えてしまうなんて。あたしは複雑な心境になる。試合は彼らの学校が勝利し、全国へと近づいた。彼らの学校が優勝し、全国へ行けるといいなあ、なんて思いながら、席を立つ。体育館の出入り口までやってきて、帰ろうとしたあたしの腕を誰かが引っ張った。


引っ張った主を見ると、それはまぎれもなく、あたしが気になっていた男の子。




「…あの、いつも、観に来てますよね」

「ど、どうしてそれを…」

「俺、あなたのこと、気になってたんです。それで、誰を見に来てるんだろうなって、気になって…」

彼の言葉をきいて、あたしは笑わずにはいられなかった。




光る汗、青春の日々


(ど、どうして笑うんですかっ)

(ごめんね。実は、あたしが観に来てたのって、君のことだから)

あたしと彼の間に、何かが起こるかも知れない瞬間。

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