若気の至り

第3話

きみが、きみのことが、だいすきだったんだ。



「…や、めて…?」


だいすきだから、これからきみをぼくのものにするんだ。



「だいすき、だよ…?その気持ちがあれば、きみをどうしたっていいじゃないか」

抵抗するきみを、ぼくは抑えてきみの肌に吸いつく。

ちょっときつく吸ってみれば、ほら、きみの白い肌に、紅い花が。




「や、だぁ…!」

「泣かないで?」

流れる涙を、ぼくは指で拭う。「じゃあ、いくよ…?」


ぼくが動けば、あたりが真っ赤に染まっていくのを、きみはボーっと眺めていた。

そう。


それはまるで、心がなくなってしまったように。



「っ…、」

ぼくがきみのなかに欲望を吐き出したときには、きみはまた涙を流しながら意識を手放していた。



目が覚めると、あたりは茶色くなってきていて、そのなかにきみが寝ていた。



白いきみには、この色は似合わないね。

きみの白い肌に咲く、紅い花のように、真っ赤ななかにいるきみが、すてきだから。




若気の至り

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