若気の至り
第3話
きみが、きみのことが、だいすきだったんだ。
「…や、めて…?」
だいすきだから、これからきみをぼくのものにするんだ。
「だいすき、だよ…?その気持ちがあれば、きみをどうしたっていいじゃないか」
抵抗するきみを、ぼくは抑えてきみの肌に吸いつく。
ちょっときつく吸ってみれば、ほら、きみの白い肌に、紅い花が。
「や、だぁ…!」
「泣かないで?」
流れる涙を、ぼくは指で拭う。「じゃあ、いくよ…?」
ぼくが動けば、あたりが真っ赤に染まっていくのを、きみはボーっと眺めていた。
そう。
それはまるで、心がなくなってしまったように。
「っ…、」
ぼくがきみのなかに欲望を吐き出したときには、きみはまた涙を流しながら意識を手放していた。
目が覚めると、あたりは茶色くなってきていて、そのなかにきみが寝ていた。
白いきみには、この色は似合わないね。
きみの白い肌に咲く、紅い花のように、真っ赤ななかにいるきみが、すてきだから。
若気の至り
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます