ふわふわあまい

第8話

あのあと、菜月や希美子に報告して、祝福された。なんだか照れくさくて、やめてよ、なんて言うと、のろけるなよ、と返される。ふたりとも、今はお相手がいないようで。


「優莉藍が藤ヶ谷とつき合って、もう結構たったよね?もうデートしまくってるの?部活も引退してるし」

藤ヶ谷くんとつき合って、1ヵ月くらいたったころの昼休みのこと、菜月にそんなことを言われたけれど、答えはノーである、ということを知らせる。



「え、まだなにもしてないわけ?」

「してないよ。夜、寝る前、電話するくらい…」

「へえ、電話、するんだ。やらし~」

菜月にそう言われると、なんだかリアルで、顔が熱くなる。



「如月、いる?」

教室にやってきた藤ヶ谷くん。菜月からの視線に、あたしはさらに顔が赤くなったような気がした。


「ど、どうしたの?」

「あのさ。今週の土曜、秋祭りがあるんだって。ちょっと遠いんだけど…よかったら、いっしょに行かない?」

いいの? あたしが訊くと、悪かったら、誘ったりしないよ、なんて言ってくれる。


「如月の都合が悪いなら、別だけど」

「そんなことないよ!全然暇だよ!嬉しいなあ!土曜、楽しみにしてるね」

そうして、暇だった土曜に、藤ヶ谷くんといっしょに秋祭りが行けるという予定ができて、楽しみになった。

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