第4話

合コンの会場になっているカラオケ(定番の)で、あたしと希美子以外のメンバーは揃っていた。おせえ、一言呟いた翼くんに、希美子が怒る。「仕方ないでしょ、優莉藍が遅かったんだから!」


結局はあたしのせいにするのですか、希美子ちゃん。彼女の言葉に涙目になりながら、店内へ入る。それからは翼くんの隣に誰が座るのだ、という争奪戦が繰り広げられたのは、言うまでもない。



「ここは公平にじゃんけんしなさいよ!第一、翼の隣に座ったところで、ずっとしゃべれるわけじゃないんだから…」

希美子は呆れている。あたしも苦笑する。翼くんは、我関せず、といった感じで、どっしりと座っている。その状況を見て、翼くん以外のバスケ部は、ため息をついていた。


「やっぱり、小林以外に、興味はないんだな…」

「そんなことないよ。あたし、翼くんよりも、中野くんとか、宮島くんのほうがかっこいいと思うもん」

あたしが、落ち込んでいる彼らにねぎらいの言葉をかける。すると、そう? なんてまんざらでもないようす。気を取り直してくれたのなら、それはよかった、なんて思っていると、アンタは何をしにきたの、と希美子に言われた。そうだ、自分の目的を果たさなくては、この合コンを開いた意味がなくなってしまう。せっかく、希美子と翼くんがセッティングしてくれたのに。




「ね、ねえ、藤ヶ谷くん、となり、座ってもいい?」

あたしが訊くと、彼はいいよ、と優しく言ってくれた。そんな彼の隣に、そっと腰掛ける。

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