片思い卒業記念
第3話
日曜、親友である菜月に背中を押されて、合コンへでかける。合コンを行うと希美子から聴かされ、その日すぐに菜月に相談した。どういった服装だったら気に入ってくれるかな、とか、緊張しないでしゃべるにはどうしたらいいだろう、とか、恋愛経験豊富(いわば姉御的存在)の菜月に訊いてみれば、なにか解決策が見つかると思ったから。だけど、優莉藍らしく、いればいいよ、なんていうから、なんの解決にもならずに終わった。優莉藍がそのままで接することが、いちばんいいんだよ、なんて言う。
「大丈夫だよ、優莉藍。あたしが保障するから」
「なんだか心配だけど、じゃあ、菜月のこと、信用していいんだね?」
「うん、信用しまくっちゃって」
当日にあたしの家に応援に来てくれた菜月は笑ってそんなことを言いながら、お見送りしてくれた。駅まで行くと、希美子が待っている。
「大丈夫?そんなに緊張しなくてもいいとおもうよ」
どうやら、あたしは緊張してがちがちになっているようす。自分ではわからないものだ。
「どうせ、あいつら、翼に色目使うつもりなんでしょ?あいつに本気になったところで、相手にされないっていうのに…」
希美子と翼くんは、従弟であり、そのよしみでこの合コンが企画されたのである。あたしも翼くんとは普通に話せるのに、どうして藤ヶ谷くんとは緊張してしまうのだろう。それが、すき、ゆえに、なのか。
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