第2話
そうして月日が経ち…あたしが中学3年生になった、あるとき…―――
「榎本の父親ってさ、DVだったからリコンしたんだろ?」
「………」
受験も間近な雪の降る寒い日だった。
あたしは、学校の中で優等生と呼ばれているクラスの男子…柿崎道哉に美術室に連れてこられた。
そして云われた、一言。
正直どうしてそんなことを知っているのかも、どうしてわざわざこんなところまで連れてきてそのことを云ったのかも、あたしにはわからなかった。
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