第16話
「…茉梨乃ちゃん!」
俺は茉梨乃ちゃんを見つけ、名前を呼ぶと、彼女はこちらを向いた。
「…あ、煉くん。どうしたの?」
「一緒に…帰ろうと思ったのに。教室、いなかったから…」
「あ、そっか。ごめんね」
彼女は猫を抱きかかえ直しながら、俺に言う。
「いや、別に。それはいいんだけど…」
「よかった」
「茉梨乃ちゃんって…」
「?」
「思ってた以上に、オタクなんだね」
「…あぁ、うん。やっぱ嫌?」
茉梨乃ちゃんは悲しそうに言うから、俺は
「い、いや!そんなわけないじゃん!第一、俺は茉梨乃ちゃんに『ギャップがどんなものでも嫌いにならない』って言ったんだから」
とあたふたしながら言った。
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