雨は止んだらしい
第14話
「あ…雨じゃん…」
「あたし、今日傘持ってきてないんだよね~…」
「でも、部活が終わるころには止んでるんじゃない?」
「そうだといいよね~」
HRが終わって、部活へ行く2人組がそういいながら教室を出て行った。
あたしは今日は日直。
先生が「2人で協力してやって欲しいから」という理由で日直は2人でやることになっている。
なんで2人でやらなきゃいけないのだろうとあたしは何度も思った。
一緒にやる人は毎回同じで、いつもあたしに日直の仕事を押し付ける。
今日だってまた、彼はどこかへ行ってしまって、あたし1人が教室に残って仕事を終わらせ、日誌を職員室まで持っていくようなのだから。
「はぁ…憂鬱」
「なんかあったの?」
「…え?」
てっきりあたしだけだと思っていた教室に、同じクラスの…あたしがいつも日直の仕事を押し付ける人と仲のいい人が扉の前で立っていた。
「もしかして…日直?」
「あ、うん…」
「俺でよかったら手伝うよ」
「え…部活は?」
「今日休みになったからさ」
「そ、そうなんだ…」
「ってか、手伝わせて?」
「え…」
そう言って彼はあたしの持っていた日誌を奪い取ってあたしの隣の机に座り、日誌を書き始めた。
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