青き薔薇が咲くことを祈る
第11話
…雨。
シトシト、あたしの頭から足まで全てを濡らす。
この雨は、まるであたしの涙のよう。
降っても、降っても止まない。
泣いても、泣いても止まらない。
そんな感じ。
あたしは青い薔薇に運がないということを知った。
珍しい薔薇の色。
あたしにとっては不幸を招く薔薇だった。
だから、あたしと彼は別れてしまったのだと思う。
あなたは、他の女の子と笑って過ごしているでしょう。
だからね、思うの。
どこかで青い薔薇が咲いていないかと。
そして、あなたがあたしの元へ戻ってこないかと。
「やっぱり俺、お前じゃなきゃダメみたいだ」そんな風にあたしを抱きしめて。
青き薔薇が咲くことを祈る
(…びしょ濡れだけど、いいの?)
(…?)
あたしの背後から男の人が傘を差し伸べる。
(君…寂しそうだったから)
(青い薔薇がね、あたしを不幸にするんだ)
(え? 青い薔薇?)
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