好き、だけじゃ、

第9話

「先生、俺ね、先生のこと好き。超好き」



いつも、いつもあたしにこうやって話す君。





君の言うことは嬉しい。


あたしも答えたいよ。


「大好き」って。



…だけどね、それじゃダメなの。





「じゃあ…英語の点数がよくなったらね」


「俺が絶対ムリなこと言わないでよね」


「そんな自身持って言うことじゃないでしょ。

 それとちゃんと敬語使いなさい、敬語」


「わかりましたよ、先生」



あたしはこうして自分の立場を守る。


「恋」、あなたに対する想いを犠牲にして。




先生と生徒。


だから、うまくいかない。


年齢がどうってことじゃない。


そんなの関係なくなる。



…だけど。


あなたの人生を滅茶苦茶にしてしまうでしょ。





好き、だけじゃ、今はあたしはあなたに何もしてあげられないの。





好き、だけじゃ、



(…先生、本当は俺のこと好きでしょ)

(自惚れるんじゃないよ、バカ)

(バカで結構~)





――――――

「自惚れてもいいですか」の先生視点Ver.

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