気になるバイト君

第4話

「ねぇ~N高から近いコンビニでカッコイイバイト君いるよね?」


「え?いたっけ?」



昼休み、クラスでの一番の仲良しの子があたしに話しかける。



「いるよ~。 何歳なのかな?彼女とかいちゃうのかな?」


「っていうかどんな人?」


「だから、カッコイイ人! 今日行ってみようよ。百聞は一見にしかずっていうでしょ」


「はいはい」



そうしてあたしたちは放課後、コンビニへ行くことになった。





「いらっしゃいませ~」


ハスキーな声が、店内に響く。



「やっぱりカッコイイよ! あそこのレジにいる人」


そう言って、彼女は男の人に気づかれないようにさりげなく指を差す。


あたしは彼女の指差す方を見ると、一瞬にして心を奪われた気がした。


…本当に、カッコイイ。


っていうか、あのハスキーボイスを聞いてからすごく惹かれた。



あたしは特別買うものがなくコンビニへ来たので、買い物は彼女に任せ、先に店内から出た。


まだ、心臓がバクバクしてる。




「…ね、かっこいかったでしょ?」


彼女が買い物を済ませコンビニから出てきてあたしにそう言ったけど、あたしはなんとなく素直になれなくて「いや、普通でしょ」としか言わなかった。







「290円になります」


「ありがとうございました」



彼の笑う顔と、そのハスキーな声が聞きたくて、あたしは毎日のようにコンビニに通っている。





気になるバイト君


(イキナリで悪いんですけど、彼女とかいますかっ?)

(…え?)

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