科学室。
第4話
ガチャン、と科学室の鍵をかける。
今は昼休み。
ここには、いつも、ひとりで何をしているかわからないといわれる科学教師がいる。
「…せんせ」
「………あ、お前、また来たのかよ」
ガスバーナーを使ってお湯を沸かし、カップラーメンを食べるためにお湯を注いでいる彼はあたしの方を見るなり嫌そうな顔をする。
「なんで?来て欲しくなかった?」
「…大人をたぶらかすな、マセガキが」
「たぶらかしてなんてないよ。先生が誘ってくるんでしょ」
お湯を注いでいるのにも関わらず、あたしは先生に抱きついた。
「お、おい!危ないだろ!」
「へーきへーき!大丈夫だって!」
「…わかったから、いったん離れようか。そして、俺がカップメン食ってからでいいかな?」
「うん!全然いいよー!」
「…」
先生は呆れた顔で、あたしを見る。
「ん?先生、あたしの顔に何かついてますか?」
「…いや、べつに何も」
そして3分も経ってないのに先生はカップラーメンのふたを開けてズルズルと食べ始めた。
「不味くないの?」
「俺、硬い麺が好きだからいいんだよ」
「それにしても硬すぎじゃないの?」
「…黙ってろ」
先生は食べ終わるより先に、あたしの唇を奪った。
「…気が早いですよ?先生」
「お前がうるさいから、気が変わったんだよ」
そう言って先生は机の上にあたしを乗せ、押し倒す。
「カップラーメン。伸びますよ?」
「構わねぇよ。…つーか、お前が蒔いた種なんだから、ちゃんと責任取れよ」
「…うふふ。先生、子供みたい」
「ガキのくせに、ムカつく」
―――あたしと先生のこのイケナイ行為は、この科学室で、きっと一生続く。
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