近親相姦
第2話
俺は今までお前に優しく接してきた。
そうすることで、お前に嫌われないと思っていたから。
…だけど
「お兄ちゃんのその優しさが…嫌、なの……っ」
そんなこと言われたら…
もう、どうしようもないよな。
俺とはもう関わりあいたくないってことだろ?
俺の存在がいらないっていうことだろ?
そんなことお前に言われちゃったらさ…
俺、生きてる意味、なくなっちゃうよ…
コンコン。
部屋のドアのノック音が聞こえた。
「どーぞ」
軽く返事をすれば、そこには先日俺の優しさを拒否った彼女の姿…。
「あのね…数学でわからないところがあって…っ。
どうしてもお兄ちゃんじゃないと解けないような問題で…あの…その…」
彼女は入るなりドアの前でモジモジしながら俺に話す。
わかってるよ。
俺のこと、嫌ってるんだもんな。
そんな嫌ってる人物に“頼る”なんてこと、あんまりしたくないもんな。
「…いいよ。机にノート置いといて。あとで俺、解いておくから」
「そうじゃなくて…直接、教えて欲しいの…っ」
…そんなこと、言うなよ。
「お前…こないだ俺に『優しくされるの嫌』って言ったくせに頼るのってずるくない?」
「…そ、そうだよね…ごめんね…っ。
ほんとは…そのこと謝りたくて…この数学の問題なんて口実で…だから…その…っ」
「何?」
俺は無意識に彼女を抱きしめていた。
「お兄ちゃんが…好き、なの…っ」
「え…?」
俺は彼女から体を離して、彼女の顔を見る。
彼女は耳まで真っ赤にした顔を背けた。
「ごめんね…。お兄ちゃんを好きだなんて気持ち悪いだけだよね…だから今からっ」
「そんなことないよ。俺だって…お前と同じ気持ちなんだから」
「え…?」
「今は…今だけは…“兄妹”なんて忘れて…“男と女”になろう…?」
「…うん…っ」
俺たちは一線を越えた。
禁忌なんてそんなことは関係ない。
これからも、2人、どこまでも
―――堕ちてゆく。
---------
(「あなただけが永遠」の続編兼お兄ちゃんサイドの話)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます