第5話

“自分から話そう”という気がなければ、そのまま一年が終わってしまうのだから。



あぁ、いま自分は告白していてよかったな、と改めて思った。







「日直って、ヤダよなー」


「あー・・・そうだよね。日直の日になれば部活できないもんね」




学校の終了時刻が4時くらいで、部活の終了時刻は5時。


日直の仕事をすると、30分くらい時間を使ってしまう生徒も中にはいるようで、日直の日には部活ができないのである。




「・・・でもよかった」


「え?なんで?」


「だって久しぶりに部活なしでゆっくり・・・でもないけど辛い練習しなくて済んだし」


「そんなにきついんだ(笑)」


「まぁな(笑)それに・・・」


「それに?」


「お前に告白してもらえた」




そう言って、藤ヶ谷は私の頬にキスした。

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