第17話
「なんでよ?」
私は小声で美和子にそう聞けば、「もしかしたらこの光くんって子、麻緒のことすきなんじゃないかなーって。…今まで恋愛経験したことないんだから、いいチャンスよ?」と美和子は語る。
「あの…ダメ、なんですか?」
崎本 光と名乗る男の子は申し訳なさそうに聞いてくる。
「あっ、いいですよー! じゃ、またあとでね、麻緒!」
「えっちょっ美和子?!」
私が答える前に美和子が答えると、スタスタと先に校門を出てしまった。
なんだよ…
今日、クレープ奢ってくれるって約束したのに。
美和子の嘘つきが。
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