第12話
電車で30分。目的地である遊園地には着いた。けど…
「閉園まで、あと20分もないぞ…」
「もしかして…なにも乗れない?」
「茉吏子の一番乗りたいやつは!」
「…観覧車」
「よし、行くぞ!」
「えっちょっ…」
類はあたしの腕を引っ張り、観覧車のある方向へと走り出した。
「ハァ……」
観覧車乗り場に着いたころには、肩で息をしているくらいだった。
「…茉吏子」
「ん……?」
「待たなくても、乗れるっぽいぞ」
「…あ、ほんとだ……」
「どうぞ?」
そう云って、類はあたしに手を差し伸べる。
「ふふっ。ありがとう」
そうしてあたしと類は観覧車に乗り込んだ。
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