第10話

「…はい」


「よかった。俺、いつもここに来たらそれ注文するの」


「そうなんですか」


「…」


「あの…どうかしました…?」


「…俺、今日は茉吏子の一日限定彼氏なんだから、敬語使うのやめようよ」


「…」


「ね?」


「…う、うん…」


「そ。それでいいの。…茉吏子は、どこか行きたいところある?」


「特にこれというところはないんだけれど…、夜の遊園地とか行ってみたいな、って思ったことはあるなぁ」


「遊園地ぃ?ここから近いところでも30分はかかるから…遊べるの1時間もないぜ?それに…」


「うん、だから別に行かなくてもいいよ」



閉園間際とはいえ、混んでるもんね。あたしは苦笑しつつそう答える。

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