第6話
「まぁ、そんな感じで…」
「悲しいことの連続って云ったもんな。…じゃあさ、俺と過ごそうよ。俺も暇しててさー。どうせ行くアテもないんだろ?」
「…」
「よし、決定!」
あたしが無言でいると彼はそれを了解と受け取り、今夜は彼と過ごすことになった。
「…君、名前は?」
「名前を聞くときは先に自分が名乗るものですよ?」
「あ、そっか。俺は類(ルイ)。君は?」
「茉吏子…」
「茉吏子か。じゃあ、改めてよろしくな」
そう云って。彼は笑った。
さっき見た顔からは想像できない笑顔で、あたしは不覚にもドキッとしてしまったんだ。
「よろしく…」
あたしは曖昧に笑って言葉を返すと、「じゃ、行こうか」と手を引かれる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます