第11話

―――翌日。


制服を着て、けだるい一週間がまた、始まる。


学校に着くなり、あたしは机に突っ伏して、寝る。








「……えー、産休に入られた藤林先生に代わって、英語を担当します、菊地です」



…ん?この声…


どこかで聞いたことのある声だと思って、眠たい目をこすり、顔を上げると、そこには見覚えのある姿…。






あたしが顔を上げたことで彼と目が合う。


彼は一瞬目を見開き驚いた表情を見せたが、すぐに戻って授業が始まった。









うそ…


裕貴って、教師だったんだ…


というか、年上、だったんだ…


あたしは驚いて声も出せなかったけれど、睡魔には勝てなくて、また机に突っ伏して目を瞑った。

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