第10話

何事もなく、駅まで送られて帰ることになった。


…なんだ、しないのか。


別に、期待、してたわけじゃないけど。


男って、付き合ったらすぐセックスするっていうのが、当たり前だと思ってたから。





…そういえば。


あたし、あいつの名前しか知らない。



「好き」とは言われたけれど、あれは一種のナンパだったのかな…。



電車に揺られながら、あたしはそんなことを考えた。




あいつに言われたからかはわからないけれど、しばらく体を売る行為はやめておこう。


ちゃんとしたバイト、探さないとね。

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