第7話
「…あ、そうだ!名前。聞いてなかった」
街の賑やかな方へ来たあたしたちは、ゆっくり歩きながら何をするか決めていた。
「俺、裕貴。お前は?」
「…瀬那」
「じゃあ、瀬那!何食いたい?」
「…なんでもいい」
「俺が決めていいの?」
「なんでもどーぞ」
「…もっと楽しそうにしろよ」
「だって…あんたは…お節介野郎で…ナルシストで…いいところなんて、どこもないのに…なんでそんなやつの相手なんて…」
「お前…。あのな?瀬那がおかしいんだぞ?普通は瀬那みたいなこと、しないんだよ。したいと思わないんだよ」
「あたしだって…したくてしてるわけじゃない…」
「え?」
「なんでもない!やっぱりあたしイタリアンが食べたいな!全部裕貴が奢ってくれるんでしょ?」
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