第4話

「…何。邪魔しないでくれる」


「ひどいなー。俺、助けてやったのに」


「助けてなんて…頼んでないじゃん。あんたがやったのは、ただのお節介なんだけど」


「…は?」


「あの人、10万くれるって言ったんだよ?せっかくのチャンス…」


「お前、何言ってんの?10万くれるって、何されるか、わかってんのか?」



あたしの言葉を遮って、彼は真顔で話してくる。


そのせいか、ちょっと顔が怒ってるように見えて、怖い。







「わかってるよ、そのくらい」


「じゃあ…!」


「でもね、しょうがないの。だからあたしのことは放っておいて…!」


あたしは男から離れたくて、走る。


自分が、ヒールを履いているという事も忘れて。

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