13
「何してんだよ、大丈夫か…!?」
「あ…うん、大丈夫。で、でもそれだけの理由で?」
「おぅ。それだけの理由だ!」
あっけらかんとした返答に素直に喜べない。
「どうした、喜ばないのか?」
「だってぇ……」
あっ、また涙が込み上げてきた。
そりゃそうだよ。喜べる筈がない。私の事を好きでもなんでも無い飛魚さんと付き合うなんて……。
「……サヨリ」
落ち込む私に飛魚さんが顔を覗いて呟いた。
「なぁ、サヨリ。俺は嬉しいぜ?」
「えっ…」
「お前の事だから、てっきり違う奴ともうしてんのかと思ったからな」
照れくさそうに顔を背ける飛魚さん。
「だからよ、その…娘としか見ちゃいけないと思ってたんだ」
「そ、それって……」
「あぁ。好きだよ、サヨリ」
真剣な眼差しで初めて言われた愛の告白。ママに向けていたあの時の顔で……。
「と、飛魚さ~ん!!」
私は胸に込み上げてくる感情に思わず大泣きして飛魚さんに抱きついた。飛魚さんは、そんな私をそっと抱きしめる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます