5

小さい頃、事故で他界した私の実のパパ。休みの日は専ら山に山菜を取りに出掛けていた。ある時、熊と遭遇して互角に戦い、両者一歩も譲らず睨み合いを利かせた後、最後の賭けに出たパパは熊に襲いかかった。そうして熊との戦いに勝ったパパだったが、深傷を負ってそのまま……。


「おい、それ嘘だろ」

「本当だよ。昔にママが教えてくれたもん!紙芝居で」

「紙芝居?いや、俺の時は高速道路で百キロ婆に挑み負けたと聞いたが……」

「ええっ!?」


また新たな事実を知ってしまった。


パパの本当の死因は何だったのママ?


「まぁいい。サヨリ、俺はこんなんでもお前の父親になりたいんだよ」

「飛魚さん……」

「別に昔の父親を忘れろとは言わねぇ。ただ、お前とは親子の関係でありたいんだ!」

「ガーン!!」


何故かいきなり失恋した。そんなのってあんまりだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る